傍観者効果とは?(生活心理学編)
周囲に人が多くいるほど、人は援助行動を起こしにくくなると言われています。このような現象を傍観者効果と言います。
実際に、犯罪に巻き込まれた人が助けを求めていたリ、悲鳴を上げていても誰も助けに行かなかったという事件もあります。
また、いじめを見て見ぬふりをしてしまうことも傍観者効果が起きている可能性があります。
傍観者効果は何故起こるのか?
傍観者効果が発生してしまうのは、以下の3つが主な要因と言われています。
責任分散
周りに人が大勢いると、責任が分散されてしまいます。
例えば、もし誰かが助けを求めていて、周囲に人がいなかった場合は、あなたは助けに行くと思います。
しかし、周囲に人が大勢いた場合はどうでしょう。
あなたは「誰か助けるだろう」と思ってしまうと思うかもしれません。
多元的無知
周りにいる人たちが援助行動を起こさないことで、緊急性がないと感じてしまい、誰も援助行動を起こしにくくなってしまいます。
例えば、もし人が道端でうずくまっていても、誰も気にしていなければ、「きっと大丈夫なのだろう」とか「すでに本人や誰かが助けを呼んだのだろう」と感じてしまうかもしれません。
評価懸念
援助行動を起こすことで、周囲から悪い評価を下されることへの恐れもあります。
例えば、「助けようとしたが本人は何でもなかった場合に恥をかく」とか「周りに大勢いるなかで目立ちたくない」と思うようなことです。
傍観者効果が起こりやすいシチュエーション
住民が多くいる場所での犯罪
もし夜中に悲鳴を聞いても、住民が多くいるような場所では傍観者効果が起こる可能性があります。
何かの事件だと思っていても、事件に関わりたくないという思いから「誰かが警察をよんだだろう」とか、「誰かがふざけて悲鳴を上げたのかもしれない」と思ってしまうかもしれません。
野次馬が多くいる事件現場
事件現場に遭遇した場合にも、野次馬が多くいる場所では傍観者効果が働いてしまう可能性があります。
「これだけ大勢の人が事件現場を見ているのだから、誰かが通報しただろう」と思ってしまい、通報が遅れるということもありえます。
学校内でのいじめ
誰かが大勢の前でいじめられていても、誰も助けなかったということはよく聞く話です。
助けたことによって自分も巻き込まれるというような意識の他にも、助けたことによって周りから「調子に乗っている」と思われたくないというような傍観者効果が働いているのかもしれません。
傍観者効果の防衛策
自分が助けてほしい場合
傍観者効果は周囲に人が大勢いて、責任の分散が発生するときに起こる可能性が高くなります。
そのため、助けを求める場合は、責任が分散しないように「不特定多数の人」ではなく「特定の人」に助けを求める方が良いでしょう。
誰かが助けを求めている場合
誰かが助けを求めている場合に、援助行動をすぐに起こせるようにするには、傍観者効果について深く理解して置く必要があります。
例え周りに大勢人がいても、誰も援助行動を起こしていないかもしれないと思わなければなりません。
また、周りを気にせずに勇気を出して声がけをすることが大切です。
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う~ん…
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(スタスタスタ…)
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