ドア・イン・ザ・フェイスとは?(ビジネス心理学編)
あなたは友人から「金欠だから3万円貸して」と言われたら貸せますか?
その友人が信頼できる人出ない限り、なかなか貸せるひとはいないでしょう。
では、その後「じゃあ3000円だけ貸して、1週間後に返すから」と言ったらどうでしょう。
さっきよりも貸せる人が多くなると思います。
実はこのやり取りには、ドア・イン・ザ・フェイスという心理テクニックが使われています。
ドア・イン・ザ・フェイスとは、最初に過大な要求をし、断られてから要求のレベルを引き下げるという方法です。
つまり、この場合「過大な要求=3万円貸して」、「レベルを下げた要求=3000円貸して」となります。
実はこのように、ドア・イン・ザ・フェイスのテクニックを使った方が、最初から友人に「3000円貸して」というよりも要求が通りやすくなる傾向があります。
つまり、自分の要求が相手に通りやすくするためには、本当に受けて欲しい要求をワザと2回目以降にして、最初の過大な要求を断らせてから譲歩する形をとる方が良いということです。
ドア・イン・ザ・フェイスが交渉に効果的な理由
ドア・イン・ザ・フェイスのテクニックを利用するにより、2回目以降の要求が通りやすい理由は相手が1度断ったことにより多少の罪悪感を抱くからでしょう。
2回目の要求はこちらが譲歩する形になるため、この罪悪感を解消するチャンスになります。
また、好意の返報性という心理現象からみても、「譲歩=好意」ということになり、相手に「好意=要求を飲む」を返したいという心理が働くと考えられます。
さらに、最初に提示された要求レベルに対して、2回目以降に提示された要求レベルが低く感じるという、一種のアンカリング効果やゲイン・ロス効果という心理現象が働いているのかも知れません。
これは価格交渉において、値引きされると安く感じることにも当てはまりますね。
効果的な使い方
ドア・イン・ザ・フェイスのテクニックを使用する際には、いくら過大な要求と言っても、とうていできないような要求はしてはいけません。
過大過ぎる要求をしてしまうと、「相手のことを考えていない人だ」と思わせてしまうかもしれないからです。
なので、最初に提示する要求は相手が少し厳しいと感じる程度にすると良いでしょう。
また、2回目に提示する要求はギリギリ大丈夫というレベルにすると自分の利益を最大限にできる可能性があります。
使えるシチュエーション
ビジネスの面でもドア・イン・ザ・フェイスは有効的に使えますし、実際につかわれている事が多いです。
例えば、以下のような具体例があります。
・見積額を高め設定し、交渉後に価格を下げてなるべく高い金額で受注する。
・顧客に対して高い金額の商品を勧めた後、迷っている顧客に対して安めの商品を再度勧める。
上記した具体例のように、ビジネスでドア・イン・ザ・フェイスを上手く利用すれば、交渉で優位に立てたり、販売促進活動に役立てることができます。
組み合わせると効果的な心理効果
以下に、ドア・イン・ザ・フェイスと組み合わせると効果的な心理効果を紹介します。
■好意の返報性
相手から好意を与えられると相手に好意を返したくなる心理。
【組み合わせ例】
相手に何かをしてあげてからドア・イン・ザ・フェイスのテクニックを使う。
関連する心理効果&現象
■フット・イン・ザ・ドア
小さな要求から大きな要求に徐々にハードルを上げる交渉方法。
キャラクターたちの会話
はかせー
部屋の掃除終わったよー
あれっ
どこ行っちゃったんだ?
ただいまー
あっ、シャケ君。
博士どこ行ったか知らない?
博士ならさっき街で会ったよ。
たぶん銭湯に行くんじゃないかな?
えーーー!!
だまさされた…