ハロー効果とは?(ビジネス心理学編)
あなたは初対面の人がどんな人かを判断する場合、何を判断材料にするでしょうか。
例えば、高学歴だったり、大企業に勤めている人だったら、それだけでその人自体を高く評価してしまう人が多いのではないでしょうか。
このように、ある特徴が全体の評価にまで影響してしまうことをハロー効果と言います。
ハロー効果は学歴や経歴、容姿や肩書など様々な特徴で働く可能性があります。
また、ハロー効果は人だけでなく、モノにまで影響することがあります。
例えば、好感度のある有名な芸能人がある商品のCMに出演していたら、その商品まで好感度が上がることがあります。
このように、広告に有名人を起用するのは、注目を集めるだけでなくハロー効果を狙った手法とも言えるでしょう。
ハロー効果の「ハロー」は「Hello(こんにちは)」ではありません。「後光」を意味する「halo」です。これは、一つの特徴が後光のように他の特徴まで照らしてしまうことにちなんでいます。
ハロー効果を効果的に使うには?
人は一つでも良い特徴があれば、ハロー効果が働く可能性があります。
そのため、何か良い特徴があれば、それをさり気なくアピールしておくと良いでしょう。
しかし、学歴もないし、肩書もないし、容姿も良くない人はどうすれば良いのでしょうか?
実はそんな人でもハロー効果を働かせる方法はあります。
それは、身だしなみや姿勢を良くしたり、笑顔を振る舞うことです。
このような方法でも、ハロー効果を十分に働かせることができる可能性があるでしょう。
使えるシチュエーション
ハロー効果は仕事やビジネスの分野で効果的に利用することができます。
具体的に言うと、以下のようなシチュエーションで使えます。
会社の配属先での挨拶
新入社員の初配属、配属の移動で配属先の同僚に挨拶する際にも、ハロー効果が使えます。
初対面の時には、身だしなみや姿勢、話し方に気をつけ、良い特徴があればさり気なくアピールしましょう。
ビジネスでの商談
商談をする際には、商品の良さだけでなく、会社の強みやあなたの良い特徴をアピールしましょう。
会社やあなたに好印象を抱くことで、相手の信頼を得ることができます。
組み合わせると効果的な心理効果
以下に、ハロー効果と組み合わせると効果的な心理効果について紹介します。
■初頭効果
最初に受けた印象に強く影響される心理。
【組み合わせ例】
初対面の場で好印象を与えるためにハロー効果を使う。
ハロー効果の注意点
このように、ハロー効果はビジネスで上手く使いたい効果ですが、注意点があります。
その代表的なものをいくつか紹介します。
ハロー効果は逆に働くこともある
いくら人から好評価を得やすい特徴があっても、それ以上に評価を下げる悪い特徴があるとハロー効果良い方向に働かずに、逆に悪い特徴に注目されてしまいます。
このように、悪い特徴が全体に影響を及ぼすことをネガティブ・ハロー効果と呼ばれることもあります。(良い方向のハロー効果をポジティブ・ハロー効果と呼ぶこともある。)
ハロー効果がアダになることもある
ポジティブなハロー効果を得たとしても、油断してはいけません。
もしその評価がともなわずに、何か失敗や失態を犯した時に幻滅されてしまうこともあります。
これをロス効果といいます。
例えば、「高学歴だけど仕事では使えないね」と思われたりすることです。
ハロー効果の防衛策
ポジティブなハロー効果は自分にとっては良いですが、自分以外のハロー効果は自分の判断を誤らせる可能性があります。
また、上述したように、ハロー効果はネガティブな方向に向くこともあります。
そこで、ここではそういったハロー効果への防衛策を紹介します。
判断を狂わせないためには
ハロー効果は目立った特徴のせいで全体の判断を誤らせることが多々あります。
それを防ぐためには、ハロー効果を理解して、少数の特徴で全体を判断するのではなく、様々な情報から総合的に判断をすることが大切です。
ネガティブ・ハロー効果を覆す方法
ネガティブなハロー効果を得てしまっても、必要以上に落ち込む必要はありません。
低く評価されてしまった以上の評価を得ることをすれば、最初の低い評価を覆えすことができます。
これをゲイン効果といいます。
例えば、「見た目はだらしないけど、仕事はしっかりする人だ」と思われたりすることです。
キャラクターたちの会話
もー
博士はこの人が有能だから嫉妬しているんじゃないの?
シャケ君、ハロー効果って知っているかの?
ハロー効果?
こんにちはの効果…
あいさつをすることによって、仲良くなる効果かな?
「hello」ではなく「halo」じゃ。
日本語に訳すと「後光効果」じゃ。
なにそれ知らない。
簡単に解説すると、ある特徴が全体の評価にまで影響してしまう効果じゃ。
シャケ君もこの就活生を「高学歴」や「留学経験」だけで有能と判断してしまったじゃろ。
本来は、これらの特徴は仕事ができるかどうかには関係のないことじゃ。
うーん。なるほど。
たしかに、高学歴でも仕事ができない人もいるしね。
特に初対面の人は一部の情報ではなく、全体でどういう人か判断しないと痛い目にあうぞ。
確かにそうかも。
気をつけるよ。